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The Sense of Wonder

こちらには、トレッキングコースが沢山あります。住宅街の中にも沢山あるので、休みの日はトレッキングに出かけることが多くなりました。

自然の中で時間に追われず子供の目線、興味に合わせて子供のペースに合わせてゆっくり歩くことは、大人にとっても癒しと学びになります。苔むした切り株とキノコを見て、ここで小人達の会議が開かれているのかも?と話したり、シダ、広葉樹、針葉樹、高原植物などの特徴や繁殖の違いについて話したり。私は、子供の質問に対しては、一緒に想像力を膨らませるように返したり、科学的に返したり、一緒に調べたりしています。また、気持ちが解放されるのか、日常会話も弾みます。

先日は、ちょっと遠出して、家族でRachel Carsonの自然保護区にトレッキングに行きました。海、湿原、森と続く一帯は、まさに生き物の宝庫でした。沢山の種類の鳥の声が聞こえる中、グースの親が子供に泳ぎ方を教えているところにも出会いました。薄暗い森を抜けて、広く明るい大西洋が見えるポイントに出た時、子供達は「わー」っと歓声をあげながら駆け出して行きました。

Rachel Carson The sense of wonderという本は、世界で初めて環境問題を提起したRachel Carsonが、晩年に甥を連れて森でトレッキングしながら、子供達が自然に五感で触れて「なぜだろう?」と不思議に思う体験や感動体験を大人と一緒に持つことがいかに大切かということを綴った本です。日本でも「センスオブワンダー」という訳本が出ています。

子供は生来、好奇心に溢れて遊びの天才だと思いますが、未熟な年齢に沿わない人工的な刺激が溢れる現代において、幼い子供を興味の赴くままに野放しにするのはかえって子供の芽を摘む結果になってしまうと危惧しています。幼い子供達には、あれもこれも与えるのではなく、むしろ適切なフィルターが必要だと思います。子供達がシンプルな本物の感動体験を大人と共有すること、例えば、大人が子供に先導されながら近所で真剣に道草するだけでもいいと思います。そんな日常がとても大切だと思っています。