12歳以上の子どものワクチン接種についての院長の考え
ファイザーやモデルナなどのm-RNAワクチンの12歳以上の小児への接種が、いよいよこの夏休み期間を利用して始まるようです。
このワクチンは今までに無かった全く新しいタイプで、コロナウイルスの一部の遺伝子(表面のスパイク蛋白)を注射して、その遺伝子情報に基づいてスパイク蛋白を細胞内で合成して、それに対して体内でその蛋白に対する抗体を作らせるという仕組みです。
自分の細胞にスパイク蛋白を合成させるというのが今までのワクチンと違うところです。体内のどの部分でこの蛋白が多く合成されるのか?もしかして細胞分裂の盛んな、例えば生殖細胞や腸管粘膜などが主な合成場所になるのか?一旦取り込まれた遺伝子情報が分裂のたびに継代されて行かないか?などの疑問が残ります。
いずれにせよ、このタイプのワクチンの長期にわたる作用はまだわからない部分があります。
短期の予防効果は米国の数千人を対象とした第三相試験では100%の有効性が報告されています。副反応も成人と比較しても大きな差はなかったようです。感染予防効果としては有効な方法であることは間違いないと思われます。
小児に対してこのワクチン接種を推奨するのかどうかは難しいところですが、義務化して集団接種することは反対します。
個人的に接種する時は情報に基づいて各々がしっかり考えて、打つ、打たない、を判断することが重要だと思います。
院長